稲畑産業(8098)は高配当で長期投資家に人気!業績や将来性など銘柄分析

2022/10/24

高配当株 銘柄分析

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稲畑産業の分析

コロナでも増配を継続し続けている高配当銘柄として個人投資家に人気の稲畑産業。これからも長くつきあえる優良銘柄かどうかを考えてみます。

稲畑産業の事業内容

稲畑産業は1890年に稲畑勝太郎が京都に開業した稲畑染料店が起源です。

情報電子、合成樹脂、化学品、生活産業の4分野で事業展開している化学系の専門商社です。

アジア広域に展開し、売上高の半分以上が海外となっています。

稲畑産業の直近決算と株価

直近決算

稲畑産業は8月5日に第1四半期決算を発表しました。

売上高は前年同期比13.2%増の1,840億円、営業利益は4.7%減の53億円、経常利益は16.4%減の53億円、純利益は42.8%減の45億円となっています。

純利益の激減は投資有価証券売却益が減少したのが主な要因です。

実質は、前期より少し利益が減った程度と考えていいと思います。

同時に自己株式の取得も発表されました。

※10月17日に自己株式取得(60万株)の終了が発表されています。消却予定日は2022年10月25日


株価推移


コロナショックでは一瞬ですが900円台がありました。配当金が53円でしたので利回り5%以上の水準まで売り込まれたということです。コロナ前は3%台後半ぐらいが株価の定位置でした。

順調に上がり続け、今年は2月には配当70円予想から110円へと40円もの大幅増配、それに加えて大幅な自社株買いを発表。

発表時1,700円台だった株価は1か月もしないうちに2,500円超になりました。値動きの小ささで定評のある稲畑産業とは思えないスピードでした。

その後は2000円程度までの調整もありましたが、ここ最近は概ね2,350円から2,600円で推移しています。

業績推移

2019年3月期からの業績の推移です。

営業利益の推移

(出典:稲畑産業HP 決算資料)

コロナショック時は落ち込みましたが22年3月期は急成長しました。今期も前期並みが見込まれています。

化学事業は円安や商品価格引き上げで41.1%増益、電子情報は販売量減少で減益、合成樹脂は自動車減産や物流費高騰で減益。

進捗率は27.4%で例年通りといえます。

当期純利益の推移

稲畑産業の当期純利益の推移

進捗率が22.2%と低いものの、前述のとおり投資有価証券売却益の減少が主たる要因のため問題視する必要はないですね。

8月5日の決算発表で株価は急落しましたが、これは純利益の急減で業績急悪化だと勘違いした投資家が売っただけだと思います。

株価は短期で急落前の株価に戻りました。


配当推移

稲畑産業の配当推移
(出典:稲畑産業HP 決算資料)

2021年の63円から2022年には110円への急激な増配は記憶に新しいですね。今期は115円(予想)です。

稲畑産業の株主還元方針は中期経営計画「NC2023」(2024年3月期までの計画)で決められています。

1.一株あたりの配当額は前年度実績を下限とし、減配は行わず、継続的に増加することを目指している。

2.総還元性向の目安としては概ね50%程度とし、政策保有株式を売却し相当程度のキャッシュインが発生した事業年度においては、今後の資金需要や会社の財務状況、株価、マーケットの状況などを総合的に勘案し、上記の総還元性向の目安には必ずしも囚われずに株主還元を実施。

要約すると、累進配当を続けます。もし政策保有株売却で多額のキャッシュができたら総還元性向を超えてでも株主還元(増配や自社株買い)するということ。

政策保有株は今後5年間で(2027年3月末までに)2021年3月末残高に対して概ね80%削減を予定。

株価指標


銘柄株価PERPBR配当配当利回り
稲畑産業2,4036.70.771154.79

株価は右肩上がりではあるものの、配当利回り4%台後半の状態が長くなっています。

配当115円と自社株買い60万株(既に終了)があったものの、純利益予想で計算すると総還元性向50%にはまだ余裕があります。もしかしたら増配が期待できるんじゃないかと勝手に想像しています。

株主優待

9月の権利でクオカード(長期優遇あり)が貰えます。

株数/保有期間6ヵ月未満6ヵ月以上3年以上
100株以上500円分1,000円分2,000円分
200株以上500円分2,000円分3,000円分
300株以上500円分3,000円分5,000円分

どちらともとれるパターンの保有になった場合は、株主にとって有利なほう(金額の多いほう)がもらえます。

まとめ 将来性・長期保有

中期経営計画では2024年3月期に売上高8,000億円、営業利益205億円、純利益225億円、ROE10%以上、自己資本比率40~50%を掲げています。1ドル120円を想定

2022年3月期の業績が公表されていた2024年3月期の目標数値をあっさり上回ったため改定された数字です。

長期ビジョンでは2030年頃に売上高1兆円以上、海外比率70%以上、情報電子・合成樹脂以外の事業の比率を1/3以上を掲げています。

主要ビジネスの深堀と成長分野への横展開を積極的に進めていき、中国市場で液晶・有機ELビジネスを深耕するとともに、新世代FPDや周辺部材、産業用インクジェットビジネスに注力する方針です。

成長が見込める市場への取り組みとして、環境負荷低減商材の拡充や新エネルギー分野、5G関連、車載・モビリティ関連ビジネスへの取り組みを多角的に展開し、収益力を上げることを目指しています。ライフサイエンスは市場拡大が見込める再生医療分野に注力しています。

狙うべき市場が分かっていて、成長しようと積極的な投資もしてます。尚且つ株主還元に積極的な稲畑産業。

今後も緩やかな成長が続くと期待して、長期保有で配当をもらい続けて最終的に大きなキャピタルゲインを狙う銘柄としていいんじゃないかと考えます。

急落があれば増やそうと考えています。

※自己責任です。

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