高配当で人気の建設株の双璧「大和ハウス工業」「積水ハウス」を比較、銘柄分析

2022/10/20

高配当株 銘柄分析

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高配当銘柄好きの投資家が建設株を保有している場合、「大和ハウス工業(1925)」 「積水ハウス(1928)」のどちらか一方、あるいは両方保有の方が結構いらっしゃいます。

配当利回りが高いのはもちろんのこと、電機銘柄や機械銘柄などに比べると値動きが小さい(比較的株価が安定している)のも理由の一つなんじゃないかと思います。

大和ハウスと積水ハウスの強みの違い、業績、配当推移などを比較しながら見ていきます。

大和ハウスと積水ハウスの比較

大和ハウス工業は大阪に本社を構える大手ハウスメーカーで、売上の大半は賃貸住宅、商業施設、物流など事業施設です。

戸建て住宅は売上割合は20%以下です。

積水ハウスは大阪に本社を構える大手ハウスメーカーで、住宅関連の売上が大半を占めています。

事業施設に期待するなら大和ハウス工業、住宅関連に期待するなら積水ハウスです。

どちらが有利とも一概に言えないので、もしも買うのだとしたら両方がいいかもしれません。大和ハウス工業は3月決算銘柄で、積水ハウスは1月決算銘柄です。

直近決算の比較

大和ハウス工業は8月9日に2023年3月期第1四半期決算を発表

売上は前年同期比9.5%増の1兆078億円と伸びたものの最終利益は365億円と5.3%の減益となっています。

海外事業の売上⾼は1,189億円で458億円の増収、営業利益は78億円で49億円の増益となり、 計画通り進捗しています。

積水ハウスは9月8日に2023年1月期第2四半期決算を発表

最終利益は1040億円と前年同期比で315億円の増益(43.4%増)となっています。
業績好調により通期最終利益予想を160億円増の1740億円に上方修正し、配当は中間・期末それぞれ5円増額の通期配当104円としました。国内外における住宅事業が好調に進捗したのが要因だそうです。

通期最終利益(億円)の比較

銘柄大和ハウス積水ハウス
2019年23741285
2020年23361412
2021年19501235
2022年22521539
2023年(予想業績)21801740

2021年は減益、2022年は増益となっています。
積水ハウスの2022年の業績はコロナ前を上回っています。
どちらもで極端な振れ幅はないようです。

今期
【大和ハウス】
企業の設備投資意欲が回復傾向にあり、 計画通り進捗しています。
ホテルの稼働率も前期に比べて大幅増 8割前後(ロイネットホテル)
資材高騰の影響を受け、価格転嫁や原価削減に取り組み。

【積水ハウス】
国内外の住宅事業が好調で上方修正。第2四半期として売上高・利益、いずれも過去最高。
資材価格高騰の影響はあるものの、高付加価値住宅の提案やボリューム効果もあり増収増益
ストック型ビジネス(リフォーム事業、不動産フィー事業)も高水準を維持。
アメリカでの売上高が多い(2022年度上半期 1766億円)だけに、住宅ローン金利の上昇や住宅価格が高止まりなどは中長期的に気になるところです。

配当推移の比較

銘柄大和ハウス積水ハウス
2013年3528
2014年5043
2015年6050
2016年8054
2017年9264
2018年10777
2019年11479
2020年11581
2021年11684
2022年12690
2023年
(予想)
130104

どちらも見事な連続増配ですね。

大和ハウスの配当方針

配当性向は純利益の35%以上、一株当たり配当金額の下限は130円

業績に連動した利益還元を行い、かつ安定的な配当の維持に努めています。

積水ハウスの配当方針

中期的な平均配当性向を40%以上としています。

業績の安定感もさることながら株主価値の最大化に積極的というのが、高配当株投資家が魅力を感じている点でしょう。

株価推移

2017年からの株価の動きです。
大和ハウス
ヤフーファイナンス

株価はコロナショックの一番悪い時には2,200円台まで売られましたが、その後は順調に回復しました。
ここ1~2か月は2,900円から3200円での動きとなっています。

積水ハウス
ヤフーファイナンス

株価はコロナショックで1,500円台まで売られましたが、その後は順調に回復しました。
好決算ということもありここ最近は高値圏で動いています。

株価指標の比較 2022年10月19日 終値

銘柄株価PERPBR配当配当利回り
大和ハウス30039.030.971304.33
積水ハウス2471.59.471.021044.21

偶然か必然かPERもPBRも配当利回りもほとんど同じ。

過去の利回りで考えると4%台前半はかなり割安な位置ではあります。

まとめ 今後の金利上昇を注視

大和ハウスは1Qの業績が振るわず、通期予想達成に懐疑的な見方をする人もいるためか株価は低迷しています。だからこそ利回りが高く狙い目という考え方もできます。

積水ハウスは業績好調で増配もあり株価が上昇しているものの、配当利回りは依然として4%台と高水準。

アメリカの住宅市場については、住宅価格上昇や金利上昇は懸念材料として注視しておく。特に大和ハウス工業は今後数年で米国売上高の急拡大を目指しているので、計画に影響があるのかないのか注目です。

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